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□愛すべき架け橋
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柔らかな風の吹く昼下がり。
昼食の後片付けを終えたピッコロは愛しいひとり息子に呼ばれ、リビングのソファーへと腰をおろした。

「ねぇ、ママ!これ読んで〜」
「…おり姫さまとひこ星さま?」
隣に座った息子の手にあったのは、子ども向けに描かれた一冊の絵本。
天の川を挟んで再会するふたりが表紙の本を見て、ピッコロは表情を緩めた。

「よし。読んでやろう」
「うわぁい!やった〜!!」
絵本の大好きな林悟はこうやって強請っては、たびたびピッコロや悟飯に絵本を朗読してもらっている。
その様子は大変微笑ましく、なにより愛しい息子の為だからと、二人ともどんなに忙しくとも笑って了承してしまうのだ。
今日も林悟の要求に負けてしまった自分に苦笑しながら、ピッコロは絵本にざっと目を通す。

ピッコロが絵本を開くと林悟は黒く大きな瞳を輝かせて、大好きな母親の膝の上に移動した。
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