SDGF・短編T

□花言葉
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デスサイズの視線の先には花のガーベラの写真、ガーベラの視線の先には新しい武器の原型。
二人はお互い向かい合わせで見向きもせずに話のやり取りを行っていた。


「・・これ、色んな人と花言葉を合わせたら誰がどの花になるんでしょうね・・。」

「そんな事を知ってどうする。仕事に戻れ。」

「もう騎士ガンダムはいませんよ・・。」

「なら私の邪魔をするな。」

「弄り役の騎馬王丸がいないんですよ。」

「一緒に天宮に行けば良いだろう。」

「あんな臭そうな所、行けと言うのですか?」

「行け。」


何気に凄い発言を含みながら二人のやり取りは続いた。
その後騎馬王丸は酷い悪寒を感じたとか。


「さて、最初はトールギスあたりから見てきましょうか。」

「勝手に進めるな。」


ガーベラの拒否をデスサイズは無視し、ページをまたパラパラと捲る。
その様子に気づいたのかガーベラはペンを持って武器の原型に溶接をし始めた。
暫く経ち、デスサイズは「あぁ、ありました。」と言った。


「・・・薊・・。」


薊(あざみ)は厳格、独立の花言葉を持っている。
ちなみに雷神トールが薊や薊を身につけている人間を守ってくれるので雷草とも呼ばれるとか。


「ぴったりですね。雷神トール辺りが・・。」

「花言葉は関係ないじゃないか。」

「何気に聞いてるんですね。」

「・・・。」


ペンの溶接は耳を混乱させるような音を出しているのにも関わらずガーベラには聞こえているようだ。
そんな相手の後姿を見て少し口を緩ませる。


「ヴァイエイトとメリクリウスは菫辺りだと思うんですが・・蒲と被るんですよね。」


ちなみに菫(すみれ)の花言葉はは忠実、誠実、控えめである。
一方、蒲(がま)の花言葉は救護、従順である。
そんな事はどうでもいい・・と言ったかのようにガーベラはあえて何も答えない。


「あとは・・・。」


その後も色々とデスサイズは本を捲りながら呟いていた。
阿修羅丸は鬼百合(おにゆり)、虚武羅丸は連翹(れんぎょう)など出てきた。
鬼百合の花言葉は嫌悪、侮蔑、純潔、飾らぬ美、荘厳、軽率となっている。
連翹は希望、達せられた希望、言いなりになる、深情だ。
そこでふと考えるガーベラ。


「・・貴様のは。」

「はい?」

「さっきから他人のばかりで自分のはどうだと聞いているんだ。」


次に騎馬王丸はどの花か調べていたデスサイズにガーベラはそう言った。
確かに自分の事にはデスサイズは触れていない。


「・・良いですよ。別に。」




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