短編V
□平定の日常茶飯事
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「覇王……」
パチンと扇子を畳み、騎馬王丸に背を向けて部屋を出て行こうとしていた覇王丸を、
騎馬王丸は無意識のうちに呼び止めていた。
覇王丸は相変わらず他人には悟られない無感情の瞳で騎馬王丸を振り返る。
「礼を言う……」
「なんなら、一緒に茶でも飲むか?
怒鳴って、たぶん喉が痛み出してるだろ?」
ついでに将破手製の団子もあることだしな、と言って覇王丸は子供のように笑ってみせる。
つられて、騎馬王丸もふっと小さく笑った。
次からは騎馬王丸を交えての茶会が始まった――。
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