短編V
□妖怪騒ぎ
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「攻撃しようとした奴も結局妖気に当てられ逃げ出したと書かれているぞ。爆熱丸も読め」
「いやだ!」
阿修羅丸が読み終えた書類を背に隠れた爆熱丸に渡そうとしても、いやだいやだとしがみ付いて離れない。
「…おんぶお化け?」
「赤いしな」
「一人呼んだら二人目くっついてきましたって最初ビビるよな」
「…知らなかったら、怖いかも」
「お前がお化け呼ばわりされているぞ」
「お化け!?お化けどこ!?」
「…保護者は大変だな」
騎馬王衆のお化け呼ばわりに勘違いして余計離れなくなってしまった爆熱丸。虚武羅丸は見てるだけ。
「…我から離れなくとも良いから、混乱せず、勝手な行動もせず、戦力にはなれ」
「お、おう!孔雀丸の頼みとあらば断われん!」
「阿修羅丸だ」
「…むぅ」
怖がりのくせに変な所で意地を張る爆熱丸。阿修羅丸に名前の事で睨まれようがお化けが怖いから離れない。
「一段落した所で…この蜘蛛お化けって何なんだ?資料屋さん」
資料屋さん。阿修羅丸の本しかない部屋を見て機獣丸が勝手に呼んでいるだけだが、強ち間違いではない。