短編V

□Happy Birthday To …
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「あの、キャプテンさん・・今から町へ買い物に行きませんか?」
「あぁ、私も同行しよう。」

 トレラは良かったとばかり安堵する。

「ではその途中で、皆さんをお呼びしましょうか・・シュウトさんの家を使わせて貰っても宜しいですか?」

「あぁ、シュウトも喜ぶだろう。」

 それを聞いてトレラは安心した様に微笑む。

「では決まりですね〜・・♪」


 クスクスと楽しみな様子で微笑んでいるトレラにキャプテンも釣られて笑ってしまう。
任務が続いていたのでこんなに穏やかな時間は無かったのだから・・。


「あの人の驚く顔が見てみたいです〜♪」


「あの人・・・?」


「Σ!」
 突然、自分達でない声が聞こえてトレラは驚く。
トレラとキャプテンは振り向けば其処には自分達にとって見慣れた人物が立っている。


「あぁ、嚇かすつもりは無かったんだ・・。」

 すまない、と謝る彼はヴァール――・・。
漆黒の鎧に身を包まれながら純粋なエメラルドグリーンの目を持っている。
S.D.Gへの関連性は特には無く、どうやら未来からやってきているらしい。
未来とのトレラの面識はある様で、『任務』以外は度々此処に留まっている。


「いえ、こちらこそ驚いてすいません;」

「いや・・それより、二人で何を話していたんだ・・?」

「あぁ、ヴァールにも話した方が良いだろう。」

「・・・?」

「そうですね〜。」

 二人の会話にヴァールはキョトンとした表情でいた。
トレラはこれまでの話をもう一度、ヴァールに話し始めるのだった。




――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――*――





「こんな所で何をなさっているのですか?」


 ネオトピア郊外、ある木々が生い茂った野原にて。
大きな木に凭れ掛かって遠くを見つめていたガーベラ基GP−04、マドナッグに
デスサイズ基、ディードが声を掛けた。
マドナッグはディードの声に気づくとゆっくりと振り向いた。

 ディードは最初から不自然だと思っていた。
だが『それ』を見てそれは気のせいでは無かったかのように小さな溜息を吐いた。



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