短編V

□Happy Birthday To …
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・・・ん?



− Happy Birthday To … −



「―・・トレラ?」

 呼ばれた彼女、トレラはキャプテンへと肩越しから振り返り、キョトンとした表情である。

 ふとキャプテンはトレラが抱えているダンボールを見つめる。
中には色取り取りのテープや折り紙、リボンにクラッカーが詰め込んであったのだ。

「トレラ、それは一体?」
「あぁ、これですか?・・あ、そういえばキャプテンさんにまだお話していませんでしたね。」

 苦笑気味にトレラは呟き、キャプテンに身体を振り返らせる。
そして、トレラはキャプテンにある単語を言う。

「パーティーです。」



 ――・・・・。



 今度はキャプテンがキョトンとした顔になり、思わず聞き返す。

「パーティー?」

「そうです。」
 キャプテンの質問にトレラは即答で返した。


 突然の事でキャプテンももう一度聞くほど意外な単語だったのだろう。

 パーティーだなんてキャプテンは一度も関わったことの無い単語でもあった。
任務で身を使いっぱなしだった今日この頃。漸く休日を貰ったこの日、トレラがキャプテンにそう申し出た。

「皆さんで集まってパーティーでもしましょうかな〜、なんて。」

 キャプテンはトレラの言葉にそうか。と相槌を打った。


 パーティーは分かったのだが一つ、キャプテンは気になることをトレラに話した。
「トレラ、それは一体何のパーティーなんだ?」

 その言葉にトレラは重大なことを話し忘れていたかのように慌てたが、キャプテンはそれを制した。
気を取り直してトレラはキャプテンの質問に答えた。

「その人はですね・・――。」





「・・・そうか。」

「ですから盛大に行いたいんですよ。」

 ニコッと微笑むトレラは暖かく、とても優しい。
自分もそれなりの表情は出来るがこれほどまでに感情を露にする事が出来ないなとキャプテンは思った。


「キャプテン・・さん?」

 キョトンとした顔でトレラはキャプテンに首を傾げる。
それにハッとキャプテンは反応し、なんでもない・・と言った。



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