短編U
□スクランブル
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「・・なんだ。」
マドナッグはガンイーグルを睨み付けるように見る。
元に戻った白い装甲には相応しくない紫色の瞳、どうしても目だけは元に戻らないようだ。
ガンイーグルは頬に冷たい汗を掻き、寒気を感じた。
流石、元ダークアクシズの者だと言える。
マドナッグの瞳は何も信用しない、孤独感を覚えそうな瞳に見える。
それに惑わされぬようにガンイーグルは頭を振り、同じように睨み返す。
「・・お前、最近・・キャプテンに馴れ馴れしいと思うぞ・・。」
「・・・は?」
一瞬間が空いてマドナッグは反応した。
その紫色の瞳も小さくし、ガンイーグルを見た。
「・・何を言うかと思えば。」
「何だと!?」
マドナッグは洗濯機の蓋をバタンッと閉めて携帯の蓄電器にコンセントを入れ、洗濯機を稼動させる。
洗濯機はどうやら調子が良くなったらしい、入れっぱなしだった洗濯物を洗い始める。
それを見てガンイーグルは「すげぇ・・。」とつい口走っていた。
後でそれに気づいたが、マドナッグは気づいていないようだ。
「キャプテンが私のだ・・と言えば?」
「・・何だよ。」
「私がキャプテンは私のだと言えば、お前は如何する?」
「・・っ・・そんなの決まってるだろ!」
お前より実力を上げて、キャプテンに認めて貰う。
ガンイーグルはそう思いながらマドナッグを再度睨み付ける。
「・・まるで子供だな。」
「なっ・・!」
「我侭な・・人間の子供みたいだな。」
バシュンッ――。