短編U
□スクランブル
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最近、ある奴がやってきた。
− スクランブル −
それは、どうやら未来から来たらしい。
信じがたいが・・とガンイーグルはハロ長官に言われた。
形式的にとキャプテンのデータを元にして作られたので兄弟という関係らしい。
だが、ガンイーグルはそんなのは気にしない。
ガンダイバーズ達やゼロ、爆熱丸のように仲良くしようと思った。
だが、今では自分の考えを改めた方が良かったと自嘲した。
「・・・はぁぁ〜・・。」
「あら?ガンイーグルどうしたの?」
ガンイーグルの一番の理解者、S.D.Gオペレーターのジュリは食堂でガンイーグルがテーブルで
溜め息を吐いて伏せっているのに気づき声をかける。
「あぁ・・ジュリさん。」
「貴方が落ち込んでいるなんて、珍しいわね。」
ジュリはその優しい微笑みでガンイーグルを見て、ガンイーグルの座っているテーブルの向かい側に座った。
持っていた盆の中にはご飯と味噌汁、肉じゃがとごく普通な食事だ。
「ジュリさん、聞いてくれよ・・最近来た奴いるじゃん・・そいつが――」
「あぁ、マドナッグの事ね。」
ジュリは肉じゃがを口に運びながらそう言った。
それを聞いてガンイーグルはまた一つ溜め息を吐いた。
キャプテンの弟、それだけの事なのに何だかキャプテンに近づきにくい。
だが、キャプテンもキャプテンだ・・マドナッグに対しては何処か優しい雰囲気を持っている。
そんな姿を自分に見せたことは無いのに・・。
ガンイーグルはテーブルに伏せながらジュリに愚痴る。
「成る程ね、ガンイーグルはマドナッグに嫉妬しているのね?」
「ん〜・・まぁ、そんな感じ・・かな。」
ジュリはご飯と味噌汁を交互に食べ、良く噛みながらウンウンと頷く。
ちゃんと三角食べしている事に関心を持ってしまう。
「貴方、本当にキャプテンが好きなのね。」
「好き・・っていうか、憧れと言うか・・。」
「それだけ嫉妬するんだもの・・。」
「・・う〜ん・・::」
ガンイーグルは唸った。
それを見てジュリは苦笑しながら最後の肉じゃがの一口を食べた時、ガンイーグルは椅子から立ち上がった。
ジュリは突然の事で驚いてしまい、肉じゃがを喉に詰まらせたが、素早く水を飲み干し難を逃れた。