□歪(更新中)
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近付いてくるなとばかりのオーラを放つ土方を無視しつつ、ちゃっかり沖田の隣に座る。
目の前の不機嫌なオーラが二割増しになったが、暇潰しとお邪魔虫、どちらも一気に出来て銀時自身にとってはこの上ない道楽だ。

「旦那も飯を食いに?」

「いや、飯はもう食ったんだけどね。ほら、外あちぃでしょ?だから甘くて冷たいモンでも食うかな〜って」

「そりゃあいい考えでさぁ。俺のオススメは新メニューのスペシャルイチゴパフェですぜ」

そう言いながら立てかけてあったメニューに手を伸ばすと、銀時の目の前に広げ、自ら身を寄せて一緒に覗き込んでくる。
一気に沖田との距離が縮まり、銀時の顔のすぐ下にある頭が楽しそうに揺れる度に、ふわりふわりと甘い香りが鼻腔を擽った。
偶に上目でチラリと見上げては銀時の反応を伺う姿は、まるで銀時を誘うよう。



だけど、決して騙されはしない。


メニューを覗く振りをして、こっそり目の前の男の様子を伺ってる事。
銀時へと体を寄せながら、土方の反応ばかりに全神経を集中させている事。



(それ位、気付かない訳ねーでしょ)



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