書
□不能疑惑
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「何ですかぃ…じゃあアレですか。近藤さんみたいにガタイがいい男じゃないと抱けねぇ事ですか」
「いや何でそうなるの。つかあんなゴリラ抱けねーから」
「じゃあ土方さん」
「余計に抱けるか!!んなの抱いたら俺のデカマラがマヨだらけになるっての!!」
天パがアフロかハゲになりそうな位掻き毟る。
よっぽど土方のヤローが嫌だったのか。
旦那の銀髪アフロはまだ許せるが、ハゲは御免被りたい。
そう思って、ふ…と旦那のアフロは見たことあったけどハゲは見た事がないな、と思った。
「旦那、今度バリカンもって来ますからスキンヘッドって奴にしてみやせんか」
「も、お前それ食ったら帰れ……」
意外に似合ったらおもしろいかもしれない。
思いついたら声に出してしまっていた。
急に話しが変わったからか、ガックリと肩を落として疲れきった声で俺が土産で持ってきた茶菓子を指す。
遠慮するつもりは最初からないので、食いかけだったみたらし団子に食いついた。
今日も結局ダメだった。
恋人ってぇのになったのに、した事と言ったらちゅーくらいだ。
エロ本みたいなのじゃなくて、マジでちゅー、って感じの。
旦那が何考えてんのかイマイチわからない。
半ヤケで無心で団子を食べていたら、みたらしのタレが指の方にまで垂れてきて、それをペロリと舐めた。
ココの団子は美味いけどタレが柔らかいからすぐ垂れてくるのが難点だ。
舐めても舐めてもキリがねぇ。
必死に舐めてたら強い視線を感じて顔を上げた。
「……旦那?」
俯いてた筈の旦那はいつの間にかこっちをじっと見ていて。
いつものぼんやりした瞳じゃないって気付いた。
でも、ちゅーの時もこんな瞳はしなかった。
「沖田くんてさ、何考えてるの?」
「はぁ??」