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(拍手お礼01:ゼロス・ワイルダー)
この年もやっと終わりがきた。
思い返せば色々あったなあ、なんて振り返るけれど、どの思い出の中にもちらつく紅に私は苦笑した。
「な〜に笑ってんの?やらしー」
「や、やらしくないわよ!ちょっと思い出し笑いしてただけでしょう!」
「ふーん」
思考に耽っていた私を疑わしげに見るゼロス。結局この一年間はこの男に振り回されっぱなしだった。
いまだしつこく茶化すゼロスを黙殺して、二人で並んで歩く。
気温は氷点下。道は街灯の光に照らされてきらきらと輝いていた。
「ん」
ゼロスからおもむろに差し出された手に一瞬面食らったが、直ぐに笑って自身のそれを重ねる。
冬の夜道にも関わらず、こうしているだけで温かかった。
「…あ、除夜の鐘」
ゴーン、ゴーンと鳴り響く年末恒例の鐘の音が聞こえて、私は思わず足を止めた。
それに倣ってゼロスも歩みを止める。
手は固く、繋がれたまま。
「今年も終わっちゃうなー」
「……なあ」
「うん?」
「来年もまた一緒に来ような」
あまりにもベタな台詞だったけれど、私に負けず劣らずゼロスの顔も真っ赤だったから。
笑いを堪えて私は頷いた。
願わくば、同じように。
年の終わりと始まりの瞬間に、あなたの隣に居れますように。
また現パロです。若干続いているようないないような(どっちだ)
ありがとうございました!