*自由奔放の閑話*



喧嘩有り。騒動有り
しかし警察沙汰は無し。

そんなルールの木ノ葉学園はオレにぴったりだ。でも合わない奴がいる



『オレの財布は…!?』


「さぁ」


『白々しい嘘をつくな!』



屋上でフェンスに凭れて座る奈良に怒りを向けるけどいつもみたいに流されてしまう



『毎回毎回!何時盗んでんだ!?』


「さぁ」


『気が付いた時にお前は教室にいねぇ。自分が犯人と言ってるもんだろ!』


「ふぁあ」


『奈良!!』



憤慨するオレに対して奈良は暢気に欠伸をした。その様子に更に苛立ち、奈良を殴ろうとした右手はあっさりと掴まれて、そのまま体の向きを変えられた



『おい!…あ』



奈良ばっかに集中して気付いてなかった。オレの後ろには昨日喧嘩で負けた軍団がオレや奈良を取り囲んでた



『……』


「猪突猛進ってお前の為にある言葉だな」


『うっせ』



なんか違う気がするけど否定できねぇ。確かにオレは切れたら周りが見えなくなる時がある。まぁ、葎か和季が居ればそんなことないんだけどな



『うあっ』



不意に重くなった背中に驚いて顔だけ振り向いてみれば奈良の背中とちょんまげしか見えない



『オレに凭れんな!!』


「面倒くせぇことに巻き込んだの誰だよ」


『断じてオレじゃない!』


「明らかにお前だろ」



背中合わせで余裕みたいに喋るオレ達に奴等は苛立って殴りにかかってきた

動き出したオレ達だが僅かにあった背中の温もりがなくなって少し寂しいと思ってしまった



『オレにかかってこい!!』



いつも財布が盗まれる時はオレに喧嘩を売られる時。

集団相手の時は必ずオレの背後を護ってくれる



『(…お人好し)』




奈良は不良に見えて不良じゃない。口は悪いけどな、不器用な奴なんだ







  せなかあわせ

(伝わる温度が心地よかったりするんだ)




END






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